福井と聞いて「なぜめがねが有名なの?」「鯖江と福井は同じ産地?」「旅行でめがねを見たり買ったりできる場所はある?」と気になる方は多いでしょう。
福井県は福井市から鯖江市にかけて広がる日本最大級のめがね産地で、鯖江市公式は国産めがねフレームの生産シェアを95%と案内しています。
産地の始まりは1905年で、雪深い農村の冬仕事をつくるため、増永五左衛門・幸八兄弟が大阪から職人を招いてめがね作りを広めたことが出発点です。
その後、分業による職人技と技術開発を重ね、1981年には福井・鯖江でチタン素材を使っためがね枠の研究開発が始まり、加工が難しいチタンフレームの開発に世界で初めて成功したと福井県眼鏡協会の公式サイトは紹介しています。
現在も福井・鯖江産のめがねは、金属加工、研磨、表面処理、組み立てなど多くの工程に専門技術が使われ、国内だけでなく海外にも送り出されています。
観光で訪れるなら、鯖江市の「めがねミュージアム」で産地の歴史を学び、県内産フレームを試着・購入し、体験工房でものづくりに触れることができます。
この記事では、福井がめがねで有名な理由から、鯖江との関係、産地の歴史、特徴、購入・体験スポット、初めて福井製めがねを選ぶときのポイントまでまとめて解説します。
この記事でわかること
- 福井・鯖江が日本有数のめがね産地になった理由
- 1905年の産地誕生からチタンフレーム開発までの歴史
- めがねミュージアムで見学・購入・体験できる内容
- 福井・鯖江製めがねを選ぶときに確認したいポイント
福井はなぜ「めがねの県」と呼ばれるの?
福井県、とくに福井市から鯖江市にかけての地域は、日本のめがねフレーム製造を支える一大産地です。
鯖江市公式観光情報では、鯖江を中心とする産地がめがねフレーム全国シェアの95%を占めると紹介されています。
2025年に鯖江市が公開した企業ガイドブックでも、眼鏡は国産フレーム生産シェア9割超の産地を支える代表的な地場産業として位置づけられています。
つまり「鯖江のめがね」は一つの会社名ではなく、福井市・鯖江市周辺に集まる多数のメーカー、部品会社、加工会社、職人によって形成された産地全体を指す言葉として理解すると分かりやすいでしょう。
福井と鯖江のめがねは別物ではない
検索では「福井 めがね」と「鯖江 めがね」が別々に出てきますが、産業の歴史では連続した地域として発展しています。
福井県眼鏡協会が運営するJAPAN GLASSES FACTORYも「福井・鯖江」という表現を使い、福井市から鯖江市へまたがる一大産地として紹介しています。
発祥地は現在の福井市生野町周辺で、その後ものづくりが鯖江へ広がり、現在は鯖江が「めがねのまち」として全国的に知られるようになりました。
そのため、産地の歴史を説明するときは「福井で始まり、福井・鯖江へ広がった」と考えると流れを理解しやすくなります。
めがねだけでなく関連加工技術も集積している
一本のめがねフレームが完成するまでには、素材加工、プレス、切削、ロー付け、研磨、メッキ・表面処理、組み立て、調整など多くの工程があります。
福井・鯖江では工程ごとに高い専門技術を持つ企業や職人が集まり、産地内で分業しながら製品を仕上げてきました。
この集積があるため、新しい素材や複雑なデザインにも対応しやすく、産地全体で技術を磨いてきたことが強みです。
福井のめがね作りは1905年に始まった
増永五左衛門が冬の仕事としてめがね作りに着目
福井県眼鏡協会の公式産地史では、福井のめがね作りは明治38年、1905年に始まったとされています。
場所は当時の福井県足羽郡麻生津村字生野、現在の福井市生野町です。
雪深い農村では冬になると農作業が難しく、収入源が限られていました。
そこで増永五左衛門と弟の幸八が、農閑期にも収入を得られる仕事としてめがね作りに着目し、大阪から職人を招いて技術を学び始めました。
単に工場で大量生産するのではなく、地域の人たちへ技術を広めたことが、後の産地形成につながります。
需要拡大とともに福井市から鯖江市へ広がった
活字文化の普及などによってめがね需要が増えると、増永工場から始まった技術は周辺地域へ広がっていきました。
やがて福井市から鯖江市にまたがる地域に、フレームメーカー、部品メーカー、加工会社などが集まり、現在の産業集積につながります。
一社だけで完成させるのではなく、それぞれ得意な工程を持つ企業が協力する仕組みが地域に根付いたことも、100年以上続く産地になった理由の一つです。
福井・鯖江が世界的に評価される理由
1981年にチタンめがね枠の研究開発へ
福井・鯖江の技術力を象徴する出来事の一つが、チタン製めがねフレームの実用化です。
JAPAN GLASSES FACTORYの公式産地史によると、1981年に産地でチタン素材を利用しためがね枠の研究開発が始まりました。
チタンは軽くて強く、金属アレルギーを起こしにくい特性を持つ一方、加工が難しい素材です。
公式サイトでは、福井・鯖江がこの難しいチタンフレームの開発に世界で初めて成功したと説明しています。
その後もチタン加工技術は産地を代表する強みの一つとなり、国内外から評価される背景になりました。
機械化されても手仕事が残る
見本サイト「さばえめがねマーケット」は、機械化が進んだ現在でも手工業による製造が多く残り、熟練職人の手仕事によってかけ心地が良く美しいフレームが生み出されると紹介しています。
めがねは数ミリのズレでも掛け心地が変わるため、最終的な研磨や組み立て、調整など人の感覚が重要になる工程があります。
大量生産品と福井製を単純に優劣で比較するのではなく、細かな加工を積み重ねて一つのフレームを仕上げる産地文化そのものが魅力といえるでしょう。
素材とデザインの選択肢が広い
福井・鯖江産めがねの公式検索サイトでは、チタン、ベータチタン、セルロイド、アセテート、形状記憶合金、天然素材など多様な素材からフレームを検索できます。
オーバル、ボストン、ラウンド、スクエア、ウェリントン、多角形など形も幅広く、福井製だから特定のデザインだけというわけではありません。
クラシックなセルロイド系から軽量なチタン、跳ね上げ式や強度近視向けなど機能性を意識した商品まで選択肢があります。
福井でめがねを楽しむなら鯖江の「めがねミュージアム」
博物館・ショップ・体験工房が一つになった施設
福井へめがね目的で旅行するなら、まず候補にしたいのが鯖江市のめがねミュージアムです。
鯖江市公式は、赤いめがねの外観が目印となる「めがねのまち」のシンボルとして紹介しています。
施設にはめがね博物館、県内産フレームのみを扱うショップ、ものづくりを体験できる体験工房などがあります。
「福井のめがねが有名なのは知っているけれど、何が違うのか分からない」という方でも、歴史・製造・商品を一か所で知ることができます。
めがねショップで福井県内産フレームを試せる
福井県公式観光サイトでは、めがねミュージアムのショップが県内産のものだけをそろえ、プロによるフィッティングのもとで一本を購入できると紹介しています。
オンラインでは分かりにくいフレームの幅、鼻まわり、テンプルの掛かり方、重量感を実際に試せることは、産地へ行く大きなメリットです。
デザインだけで決めず、顔幅や度数、使う時間、普段の服装などを相談すると、自分に合った候補を探しやすくなります。
博物館は入場無料
福井県公式観光サイトの2026年8月時点の案内では、めがねミュージアムの博物館は入場無料です。
昔のめがね作りに使われた道具や産地の歴史などを見学でき、買い物目的ではない旅行者も気軽に立ち寄れます。
営業時間はショップ、博物館・工房、カフェで異なるため、訪問前に最新情報を確認してください。
めがね作り体験もできる
体験工房では、素材を選び、プラスチックフレームを削る本格的なめがね手作り体験などが用意されています。
福井県公式観光サイトでは、めがね手作り教室は有料で、レンズ代は別途と案内されています。
体験内容・料金・予約枠は変更される可能性があるため、旅行日が決まったら公式の最新案内から予約状況を確認しましょう。
鯖江駅からめがねミュージアムまでは「メガネストリート」
約900mの道にめがねモチーフが点在
鯖江市はJR鯖江駅からめがねミュージアムまで約900mの道路を「メガネストリート」として整備しています。
歩道には、めがねに見立てたベンチや植樹マス、マンホールなど、まちを歩きながら楽しめる仕掛けがあります。
福井県公式観光記事では、鯖江駅からめがねミュージアムまで徒歩約10分として紹介されています。
車で施設だけを訪れるより、時間に余裕があれば鯖江駅から歩いて「めがねのまち」らしさを味わうのもおすすめです。
車なら駐車場50台
福井県公式観光サイトでは、めがねミュージアムに駐車場があり、台数は50台と案内されています。
北陸自動車道の鯖江ICから約3分、ハピラインふくい鯖江駅から徒歩約10分というアクセスです。
イベント開催時などは混雑する可能性があるため、来館前に施設のお知らせを確認すると安心です。
福井・鯖江製めがねはどこで買える?
産地ならめがねミュージアム
旅行で福井を訪れるなら、県内産フレームをまとめて比較できるめがねミュージアムのショップが分かりやすい選択肢です。
一つのメーカー直営店だけではなく、産地の複数ブランドに触れられるため、「まだブランドを決めていない」という方にも向いています。
全国の専門店でも福井・鯖江製を探せる
JAPAN GLASSES FACTORYは、産地直営ショールームだけでなく、全国各地のめがね専門店で「福井・鯖江製めがね」を尋ねる方法も案内しています。
福井まで行けない場合でも、製造地やブランドを確認しながら専門店で試着できます。
東京都内では、福井県眼鏡協会の産地直営ショールーム「GLASS GALLERY 291」も公式に案内されています。
オンラインでも産地直販の商品を探せる
見本サイトの「さばえめがねマーケット」は、福井・鯖江産めがねを産地から直接紹介・販売するオンラインストアです。
顔幅、フレーム形状、素材、価格帯などから検索できるため、現地へ行く前に好みを絞る用途にも使えます。
度付きレンズやフィッティングが必要な場合は、購入後にどのような調整・レンズ対応ができるか確認してから選びましょう。
福井・鯖江製めがねを選ぶポイント
「鯖江製」という名前だけでなくメーカーを見る
福井・鯖江には多数のメーカーがあり、それぞれ得意な素材、デザイン、価格帯、構造が違います。
産地名だけで選ぶのではなく、メーカー・ブランドのものづくりの特徴やアフターサービスを比較しましょう。
顔幅と鼻まわりのフィットを優先する
めがねは見た目が好みでも、顔幅に対して狭すぎたり、鼻に合わなかったりすると長時間使いにくくなります。
オンライン購入ではサイズ表を確認し、店舗ならプロにフィッティングしてもらうと選びやすくなります。
チタン・アセテートなど素材の違いを知る
軽さを重視するならチタン系、色柄や厚みのあるデザインを楽しみたいならアセテート・セルロイド系など、素材によって印象と掛け心地は変わります。
金属アレルギーなど体質に関わる不安がある場合は、自己判断だけでなく販売店へ素材を確認してください。
修理・調整の相談先を確認する
長く使うめがねは、購入時だけでなくネジの緩み、鼻パッド、テンプルの広がりなど定期的な調整が必要になることがあります。
見本サイトは産地製品について破損時の有償修理対応を案内していますが、対応範囲はメーカーや状態によって異なります。
購入前に修理・部品交換・フィッティングの相談先を確認しておくと安心です。
福井のめがね観光を楽しむ1日モデルコース
- ハピラインふくい鯖江駅へ到着する
- メガネストリートを歩きながらめがねモチーフを探す
- めがねミュージアムの博物館で産地の歴史を学ぶ
- ショップで福井県内産フレームを試着する
- 予約していれば体験工房でものづくりを体験する
- 時間があれば西山公園など鯖江市内の観光スポットも回る
めがねだけで一日を埋めることもできますが、鯖江には西山公園や越前漆器のエリアなど、ものづくり・自然を楽しめるスポットもあります。
福井市や越前市と組み合わせれば、眼鏡だけでなく越前和紙、越前打刃物など福井のものづくり文化を広く楽しめます。
よくある質問
福井のめがねは全国の何%を作っていますか?
鯖江市公式観光情報では、めがねフレーム全国シェア95%と案内されています。
統計の年度・集計対象によって「約9割」「95%」など表現が異なるため、記事や資料を見るときは対象年も確認するとよいでしょう。
なぜ鯖江でめがね作りが盛んになったのですか?
1905年、雪深い農村で冬の収入源をつくるため、増永五左衛門らが大阪から職人を招いて技術を広めたことが始まりです。
その後、需要拡大と分業体制によって福井市から鯖江市へ産業が広がりました。
めがねミュージアムで本当に眼鏡を買えますか?
はい。
福井県公式観光サイトでは、県内産のめがねだけをそろえたショップがあり、プロのフィッティングを受けながら購入できると案内されています。
福井製なら全部チタンですか?
いいえ。
福井・鯖江ではチタン以外にもアセテート、セルロイド、各種金属など多様な素材のフレームが作られています。
鯖江駅からめがねミュージアムまで歩けますか?
歩けます。
メガネストリートは約900mで、福井県公式観光情報では鯖江駅から徒歩約10分が目安です。
参考資料
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 福井・鯖江は日本を代表するめがねフレーム産地
- 鯖江市公式では国産めがねフレームの全国シェア95%と案内されている
- 福井のめがね作りは1905年に現在の福井市生野町周辺で始まった
- 冬の農閑期の仕事をつくることが産地誕生のきっかけだった
- 技術は福井市から鯖江市周辺へ広がり分業型の産地が形成された
- 1981年にチタンめがね枠の研究開発が始まり世界初の開発成功につながった
- 鯖江のめがねミュージアムでは博物館・ショップ・体験工房を楽しめる
- 鯖江駅からめがねミュージアムまでは約900mのメガネストリート
- 福井・鯖江製にはチタンだけでなくアセテートなど多様な素材がある
- 購入時は産地名だけでなくサイズ・素材・メーカー・修理対応まで確認する
福井のめがねが有名なのは、単に生産量が多いからではありません。
1905年に地域の暮らしを支える仕事として始まり、職人と企業が100年以上かけて技術を受け継ぎ、難しいチタン加工など新しいものづくりにも挑戦してきた歴史があります。
鯖江へ行けば、めがねミュージアムで歴史を学び、実際に県内産フレームを試し、体験工房でものづくりにも触れられます。
「福井のめがね」を知りたいなら、ブランド名だけを見るのではなく、産地の歴史、素材、職人技、掛け心地まで含めて一本を選ぶと、その魅力をより深く実感できるでしょう。

